監修:インフュージョンクリニック 院長 伊藤 裕章 先生/看護師 阪上 佳誉子 氏
Q 完治はするの?
A 潰瘍性大腸炎は原因不明で、現時点で完治させる治療法はありません。しかし、適切な治療を受けることで通常の日常生活を送ることが可能です。
Q 治療はいつまで続ければいいの?
A 潰瘍性大腸炎は、現時点で完治させる治療法はなく、寛解(症状が治まった状態)を維持するため、継続して治療を行う必要があります。再燃(再び症状が現れること)を防ぐことで、通常の日常生活を送ることが可能です。
Q 治療せず放っておくとどうなるの?
A 潰瘍性大腸炎では、炎症の悪化や持続により、さまざまな合併症が現れることがあります。気になる症状がある場合は、まずは医師に相談するようにしましょう。
Q どのような経過をたどるの?
A 多くの潰瘍性大腸炎患者さんは、寛解(症状が治まった状態)と再燃(再び症状が現れること)を繰り返します。寿命は健康な人と差はありませんが、発症からの期間が長くなると大腸がんのリスクが高くなることが知られています。
Q 「寛解」とはどんな状態?
A 発症後に一旦症状が治まった状態のことを寛解と呼び、この時期は基本的に日常生活に制限はなく、学校に通ったり仕事をしたりすることもできます。
Q どういった状態を目指せば良いの?
A これまで潰瘍性大腸炎の治療では、臨床的寛解(患者さんが感じる症状が治まった状態)が目標とされてきましたが、最近では、より高い治療目標である「粘膜治癒」を目指すことが推奨されるようになっています。
Q 仕事や学校は続けられるの?
A 症状が治まる「寛解期」は、基本的に日常生活に制限はなく、学校に通ったり仕事を続けることが可能です。潰瘍性大腸炎と付き合っていくためには、症状がなくても治療を続け、再び症状が現れないようにすることが重要です。
Q 症状が再び現れたときは、仕事や学校はどうすればよいの?
A 症状が再び現れたときは、症状の程度によって入院が必要になる場合がありますが、通院ですむ場合は仕事や通学も可能です。
Q 食事で気をつけることは?
A 潰瘍性大腸炎の寛解期(症状が治まった状態)では、厳密な食事制限は必要ありません。病気の勢いが強い活動期には、症状の程度に合わせた食事制限が必要になります。
Q 出張や旅行はしてもいいの?
A 潰瘍性大腸炎の寛解期(症状が治まった状態)には、旅行や出張が可能です。病気の勢いが強い活動期には、すぐに来院できないような場所への長期出張や旅行は控えたほうが無難です。
Q 妊娠や出産には影響するの?
A 寛解期(症状が治まった状態)であれば、妊娠や出産に悪影響を及ぼすことはありません。しかし病気の勢いが強まる活動期には、不妊率や早産・流産のリスクが高くなることが知られています。また、薬の種類によっては胎児に影響を及ぼす可能性があるため、治療中に妊娠がわかったら、主治医に相談するようにしましょう。
Q 経済的な支援は受けられるの?
A 潰瘍性大腸炎は、厚生労働省が定める指定難病の一つであるため、「難病法による医療費助成」の対象となります。医療費が高額の際には、 「難病法による医療費助成」と高額療養費制度を併用することもできます。
Q 助成制度の内容は?
A 「難病法による医療費助成」では、自己負担の割合が原則2割となるほか、所得に応じた自己負担限度額が設定されています。高額療養費制度と併用する場合は、まず高額療養費制度の上限額を超えた分が支給され、残りの自己負担額について「難病法による医療費助成」が適用されます。
Q 医療費の助成を受けるには、どのような手続きが必要?
A 「難病法による医療費助成」を受けるためには、医師に記載してもらった診断書とその他の必要な書類を揃えて、都道府県・指定都市の窓口で申請します。
Q 治療はどのように行うの?
A 潰瘍性大腸炎の発症時や再燃時(再び症状が現れること)には、「寛解導入療法」により症状が治まった状態(寛解)を目指します。寛解に至った場合は、「寛解維持療法」により、再燃(再び症状が現れること)を防ぎ、寛解の状態をより長く保つことを目指します。
Q 「寛解導入療法」って、どんな治療?
A 「寛解導入療法」は、潰瘍性大腸炎の発症時や再燃時(再び症状が現れること)に、寛解(症状が治まった状態)を目指して行う治療法です。症状の重さや病変の広がる範囲に合わせて、薬の種類や外科治療の適応を決定します。
Q 「寛解維持療法」って、どんな治療?
A 「寛解導入療法」により寛解(症状が治まった状態)を達成した場合は、 「寛解維持療法」により寛解の状態をより長く保つことを目指します。症状の重さや病変の広がる範囲に合わせて、薬の種類を決定します。
Q 症状がなくならないので、治療をやめてもよい?
A 潰瘍性大腸炎は一旦発症すると、自然に治癒することは少なく、治療を中断すると悪化や再燃の可能性が高くなります。気になる症状がある場合は医師に相談し、自己判断で治療を中断しないようにしましょう。
Q 症状がなくなったので、治療をやめてもよい?
A 発症後に寛解(症状が治まった状態)に至ったら、 再燃(再び症状が現れること)を防ぎ、寛解の状態をより長く保つことが重要です。自己判断で治療を中止せず、疑問があれば医師に相談するようにしましょう。
Q どうしたら悪化(再燃)を防げるの?
A 悪化(再燃)を防ぐためには、「寛解維持療法」により寛解(症状が治まった状態)を長く保つことが重要です。寛解維持療法の期間に気になる症状がある場合は、医師に伝えることも再燃を防ぐ上で大切です。
Q 治療が始まったあとには、どんな検査があるの?
A 潰瘍性大腸炎では、診断時だけでなく治療が始まってからも、血液や便の検査、大腸内視鏡検査など、さまざまな検査が行われます。
Q どんな薬が治療に使われるの?
A 潰瘍性大腸炎の治療に使用される薬には、5-ASA製剤やステロイド、免疫調節薬、免疫抑制剤、抗TNF-α抗体製剤、抗α4β7インテグリン抗体製剤、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤などがあります。治療薬は病状やライフスタイル・治療目標に合ったお薬を医師と相談して選択していきます。
Q 使う薬はどうやって選択されるの?
A 症状の重さや病変の広がる範囲に合わせて、医師が各薬剤の特徴を考慮した上で、患者さんと相談しながら選択します。
Q 「薬の副作用かな?」と思ったのだけど・・・
A 薬による治療を受けているときには、副作用が現れることがあります。気になる症状が現れたときは、がまんせずに主治医に相談するようにしましょう。
Q 潰瘍性大腸炎の薬を、他の薬やサプリメントと一緒に飲んでも大丈夫?
A 薬は、他の薬と一緒に使用した場合に、本来の効果を発揮できなくなったり、効果が強くなって副作用が現れたりすることがあります。他に使っている薬やサプリメントがある場合には、主治医に伝えてください。
Q ステロイドを長い期間使い続けるの?
A 潰瘍性大腸炎の治療では、通常、長期にわたりステロイドを使い続けることはありません。ステロイドは病気の勢いが強い活動期の炎症を抑えるために使用されます。
Q 飲み薬以外にはどんなものがあるの?
A 潰瘍性大腸炎治療の薬には、飲み薬のほか、注腸剤などの局所製剤、点滴や皮下注射があります。
Q 薬が効いているかよくわからないけどどうしたらいい?
A 薬による治療を受けているのに症状がある場合には、必ず主治医に相談しましょう。遠慮せずに伝えることで、医師は適切な対応がとれるようになります。
Q 症状が消えないけど、違う薬に変えられないの?
A 潰瘍性大腸炎の治療に使われる薬にはさまざまな種類があります。薬による治療を受けているのに症状がある場合には、がまんせず、主治医に相談するようにしましょう。
Q 薬による治療以外に、どんな治療法があるの?
A 潰瘍性大腸炎の治療には、薬による治療以外に、「血球成分除去療法」や「手術」などがあります。
Q ステロイドを高用量で使用しても大丈夫?
A 潰瘍性大腸炎の治療では、ステロイドを高用量で使用することがあります。ただし、むやみな高用量の使用は避けるべきとされており、医師が効果を判定した後、少しずつ量を減らしながら中止するのが一般的です。疑問があれば主治医に相談するようにしましょう。
Q ステロイドを減量する際に、症状の再燃や増悪が起きた場合はどうすればよい?
A ステロイドを減量する際に、症状の再燃や増悪が起きることをステロイド依存といいます。ステロイド依存の場合は他の薬剤への変更が必要になる場合がありますので、気になる症状が出現した場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。

医師への相談シート

気になる症状がある場合はたとえ症状が一時的に治まっていても、主治医に伝えることが重要です。「いつもの症状」や「いつもはすぐによくなる症状」であっても、医師が粘膜治癒に至っていないサイン、または再燃の徴候と捉えることがありますので、医師が適切な対応をとれるように、遠慮せず伝えるようにしましょう。また、治療や日常生活に関しても相談したいことがございましたら、主治医の先生にお聞きください。