UC Tomorrow 潰瘍性大腸炎についてもっと話そう
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治療を知る―治療の流れ/目標

監修:インフュージョンクリニック 院長 伊藤 裕章 先生/看護師 阪上 佳誉子 氏

潰瘍性大腸炎に対する治療の流れは?

― 寛解に至ったら、寛解維持療法を開始 1)

潰瘍性大腸炎と診断されると、症状が治まった“寛解”の状態を目指して治療を行います。これを「寛解導入療法」といいます。寛解導入療法で寛解に至ったら、次に「寛解維持療法」を長期間継続することで、再び症状が現れる“再燃”を防ぎます。再燃した場合には、再び寛解導入療法を行って寛解の状態を目指します。
寛解期には症状がないため薬の服用を忘れたり中断したりしてしまいがちですが、再燃を防ぐためには、寛解維持療法を主治医の指示通りに継続していくことが重要です。潰瘍性大腸炎を完治させる治療法はありませんが、再燃を防ぎ寛解の状態をより長く保つことで、通常の日常生活を送りながら付き合っていくことができる病気です。

潰瘍性大腸炎の治療の流れ
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治療の目標は「粘膜治癒」へ2)~5)

現在、潰瘍性大腸炎を完治させる方法はありませんが、近年の治療法の進歩によって、治療の目標をより高く設定できるようになりました。従来は、「患者さんが感じる症状が治まった状態」を臨床的な寛解として目標にしてきましたが、最近では、「大腸粘膜の病変も治まった状態(粘膜治癒)」を目標として治療に取り組むことが推奨されるようになっています。粘膜治癒に至ると再燃が起きにくく、大腸を切除する手術をせずに済む可能性が高くなるため、将来の経過の改善が期待できます。

臨床的な寛解に至って間もない時期に大腸粘膜を内視鏡で観察すると、多くの患者さんで病変の残存が確認できます。粘膜治癒に至るためには、症状がなくても、指示された薬をきちんと使っていくことが重要です。

  • 粘膜治癒は、内視鏡的寛解と呼ばれることがあります。
患者さんと医師が対話しているイメージ
医師への相談シート

気になる症状がある場合はたとえ症状が一時的に治まっていても、主治医に伝えることが重要です。「いつもの症状」や「いつもはすぐによくなる症状」であっても、医師が粘膜治癒に至っていないサイン、または再燃の徴候と捉えることがありますので、医師が適切な対応をとれるように、遠慮せず伝えるようにしましょう。また、治療や日常生活に関しても相談したいことがございましたら、主治医の先生にお聞きください。

よくあるご質問
[参考資料]
  1. 1)難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班):潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第3版「平成29年度において、厚生労働科学研究費補助(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))を受け、実施した研究の成果」:1, 2018
  2. 2)齊藤 詠子:“第4章 IBDの内科治療 2)内科治療の考え方 ①医師の立場から” チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト 横山 薫ほか編 1 羊土社:108, 2016
  3. 3)鈴木 康夫:IBD Research 8(3):207, 2014
  4. 4)梁井 俊一ほか:INTESTINE 22(4):311, 2018
  5. 5)岸 昌廣ほか:IBD Research 11(3):143, 2017日本消化器病学会編:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン 2016 1 南江堂:15, 2016